福祉オーナーのための障がいの知識講座「問題行動を減らす利用者対応」2021.05.26#お知らせ
福祉事業にとって、事業所で働くスタッフは最も重要な経営資源といえます。
そんなスタッフの負担を軽減するための取り組みは、スタッフの定着率を高め、
サービス品質を向上させて利用者の満足度を高め、
紹介の獲得に繋げるという意味でも、とても重要な経営戦略です。
今回の講座では「問題行動を減らすことを意識した利用者対応」にスポットを当て、
スタッフの負担軽減のため、
そして利用者の自立支援のための日常的な利用者との関りのポイントを考えました。
【講師】中込慶太氏
作業療法士として実践を経験され、大手社会福祉法人などで管理・経営にも携わっていらっしゃいました。
現在は医学的知識や幅広い経験を後世へ育成・教育にあたっております。
今回の講座では「問題行動を減らすことを意識した利用者対応」のために
必要な知識としてICF(国際生活機能分類)について扱いました。
ICFとは、中込氏の言葉を借りると『利用者一人ひとりを全体的に把握する考え方』です。
これを上手く使うことで利用者情報を適切に把握し、
利用者さん一人ひとりに合った判断ができるため、
福祉経営において非常に重要です。
ICFを上手く活かすことで、利用者のネガティブな側面だけでなく、
ポジティブな側面(一人で歩ける、本人の強い回復したい意思がある、
手厚いキーマンがいるなど)を可視化でき、
より利用者の自立に近づけることができます。
またICFは、利用者さんの状況をあらゆる視点から把握できるだけでなく、
スタッフが同じ知識を共有できる効果もあるそうです。
まずスタッフの特徴として、同じ学校で同じ知識を得てきたわけでなく、
様々な職業経歴や経験をしてきた方が集まっている点があります。
そういった中でもICFを活かせば、
利用者さんの解決策や状況を早く共有でき、
効果的にアプローチできるのです。
講座では、ご参加いただいた方が実際に抱える利用者さんに関する悩みを題材に、
実際にICFのワークをグループに分かれて行いました。
その後、グループごとで出た解決策をシェアし、中込氏のICFの考え方を生かした考察やアドバイスをいただきました。
アドバイスの中には、ICFがなければ思い付くことのできないような視点からいただいたご提案もあり、参加者の皆様にとって学びが多かったと思います。
中込氏の実際のご経験を交えながら、ICFを用いた解決策の導き方を実践できるようになり、大変有益な時間になりました。
当協会ではこれからも、先輩経営者の方々のご経験を会員の皆様方と共有していける場を積極的に作ってまいります。
今後とも日本福祉事業者協会を
どうぞよろしくお願いいたします。