【令和3年度報酬改定の概要と今後のグループホーム経営】経営実践会報告2021.04.06#活動報告
月に1度程度、
グループホームのオーナーさん向けに行っている
この経営実践会ですが、
今回は、令和3年度報酬改定についてと
それに伴う今後のグループホーム経営をテーマに
名古屋で5棟を開業されている
グループホームオーナー 石塚光太郎さんを講師にお迎えし
お話いただきました。
今回の報酬改定は、
グループホームオーナーとして何も手を打たずにいると
状況によっては収入の大幅な減額になることが予想されますが、
開催時点では報酬改定の概要しか発表されておらず
情報がオープンになってない部分が多い
というのも特徴です。
ですが、4月15日までに
必要な変更届を出すことを求められてもおりますので
少ない情報の中からではありますが
できる限り理解を進め、準備する必要があります。
まずは今回の改定に関して
全体像を眺め、国の意図を読み取るという観点から
解説いただきました。
今回の報酬改定の概要には
「障害福祉サービス等において利用者数・事業者数が
大幅に増加しているサービスも見られるなど、
その状況が変化する中で、
制度の持続可能性を確保しつつ適切なサービス提供ができるよう、
サービス提供を行う施設・事情しょの実態等を踏まえた上で、
報酬・基準等の見直しを行う」
と書かれています。
また、基本報酬に関しては
「重度障害者の受け入れのインセンティブが働くよう
メリハリのある報酬体系に見直し」
と記載されています。
この辺りの記載から、
この数年で軽度の方を多く受け入れるグループホームが
爆発的に増えているという流れを受けて、
国としては、それらのグループホームを活用して
重度の方を受け入れをできる限り促進したいとのではないか
という意図を読み取ることができます。
実際、区分1〜3の方の支援に関しては
基本報酬が下がりますし
夜間支援体制加算をとってる場合は、
影響が更に大きくなっています。
一方で、より重度な方向けの支援の拡充という観点では、
今回の改定で目立つのは医療関係です。
例えば、
外部から訪問看護師などに定期的に来ていただき
ケアしてもらう体制を整えることによって
グループホームでの生活が継続できる、というような方。
そのような支援を必要としている方向けの項目が増えていますので、
グループホーム側としては、
医療的ケアが可能な支援体制を整える環境を作ることで
加算を増やすことができます。
現状では、重度の方は
自立を諦めないといけないという風潮があり、
実際に重度の方の受け入れ先が少なく、
病院や施設の方々が苦心されていらっしゃいます。
その受け皿として可能性があるのがグループホームですが、
グループホームの基本として
ある程度自立できる方が入るという前提があります。
国の意図としては、その状態を変革するために、
外部の医療的支援などの活用を助長させることで
重度の方の受け入れを促進できる体制を整えて欲しいのではないか
というお話でした。
一概に報酬改定と言っても
その後にある国の意図をしっかり掴んでいるか
曖昧なまま表面的に対応してしまっているかで
グループホームの今後の経営に影響が出てきます。
今回、参加された皆様方は
講師の解説をお聞きいただくことで
これからの国の方向性をイメージできたのではないかと思います。
当協会ではこれからも
報酬改定以外にも、グループホームの経営に有益な様々な情報を
継続的に会員の皆様に提供してまいります。
今後とも日本福祉事業者協会を
どうぞよろしくお願いいたします。