【令和3年度報酬改定の概要と今後のグループホーム経営】経営実践会報告その22021.04.08#活動報告
4月から適用される令和3年度報酬改定ですが
この改定における国の意図としては、
数が増えてきたグループホームに対して
外部の医療的支援などの活用を助長させることで
重度の方の受け入れを促進できる体制を整えて欲しいのではないか
と考えられます。
今回の実践報告会では、
令和3年度報酬改定で重点的に変更された
重度障害者向けの支援、及び
医療的ケアが必要な方々向けの支援に関して
名古屋で5棟を開業されている
グループホームオーナー 石塚光太郎さんより
詳しく解説いただきました。
厚生労働省が提示している
『グループホームにおける重度化・高齢化への対応』
①重度障害者支援加算の対象者の拡充
(強度行動障害を有する者に対する評価)
によると、今回の改定で
区分6で一定の要件を満たす方には設定されていた支援加算にプラスして、
それに加え「区分4以上の強度行動障害を有する者」に対し
180単位が付与されることになりました。
区分を超えて、より強度行動障害の支援に
向き合っていきましょうという方向性が見てとれます。
また同資料の
②医療的ケアが必要な者に対する評価
では、
「グループホームにおける医療的ケアが必要な者に対する支援について
看護職員を配置するグループホームに対する加算を創設」
と書かれています。
こちらは、20名に対して常勤換算で1.0の配置が必要ですが
常勤者である必要はありません。
この「医療的ケア対応支援加算」とは別に
元々、看護職員配置加算というものがありますが、
これは利用者さん全体の健康管理をしながら、
万一の状態の急変時などに医師と連絡を取る等の対応で、
専属の看護師を配置しているという体制で取れる加算です。
今回の「医療的ケア対応支援加算」は、
この看護職員配置加算に少し似た性質を持っているとのこと。
そして、この「医療的ケア対応支援加算」は、
医療的ケアをしたらという条件ではなく、
看護師を配置することに対して加算されます。
言い換えると、医療的ケアが必要な方を支援しているホームが
条件を満たすことができれば、毎日もらえる加算です。
概要しか発表されていない現時点で断定はできませんが
講師より問い合わせをしたところ
看護職員配置加算と合わせて取得が可能とのことでした。
ただし、この「医療的ケア対応支援加算」において
医療的ケアが必要というのは、どういう状態を持って判断されるか?
という点が、まだ明確ではありません。
例えば、インスリンの注射が自分で打てない方で、
看護師がいなければ病院で対応しないといけないが、
看護師を配置するということでホームで生活できる
というような場合であれば、医療的ケアが必要とみなされます。
精神・知的障害者向けのグループホームの場合
ここに精神のケアが関わってくるかがポイントです。
精神科の訪問看護もあり、
実際、精神の障害の利用者さんで、
個別で訪問看護を利用している方もいらっしゃいます。
訪問看護師がいらして、対話して、
今精神的に困っていることないか?というようなケアです。
これが医療的ケアとして判定されるかどうかの解釈を待ち
判定に入るようであれば、対象のグループホームでは
申請が可能になるでしょうとのことでした。
一見、資料を読んだだけでは分かりにくい
看護職員配置加算と医療的ケア対応支援加算の違いを明確に説明いただき
参加された方からは
「報酬改定については
大まかにしか分かっていなかったのですが、
詳しく説明いただき、理解できました」
というご感想もいただいております。
報酬は、
性質が似ている加算であっても実は条件が少しずつ異なっていたり、
資料を読むだけでしっかりと理解するのが難しいものも多くありますが、
グループホームを経営していく上で
オーナーがしっかり理解しておくべきものでもあります。
当協会ではこれからも
できるだけ分かりやすく皆様にお伝えできるよう
工夫を重ねてまいります。
今後とも日本福祉事業者協会を
どうぞよろしくお願いいたします。