【レポート】福祉業界でのM&A活用セミナー2025.07.28
2025年5月30日に、当協会が主催する「M&A活用セミナー」を開催しました。
講師は株式会社日本M&Aセンター 柳澤 貴久氏です。
本稿では、セミナー当日の内容の一部をご紹介します。
世は大福祉M&A時代。
福祉業界でも、成長戦略や出口戦略で「M&Aを検討しよう」という動きが来ているのでしょう。
その要因を考えると、まず実地指導の強化が挙げられます。また、報酬改定による各業種の環境変化からも業界再編の動きが広がっているようです。
M&Aに関する知識を知っておくことは、事業拡大していくときに有益です。
M&Aとは、合併&買収の略。企業の合併買収のことで、2つ以上の会社が一つになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)をいいます。
1.福祉介護業界のMA成功事例
セミナーで話された2件のM&Aのうち、本レポートではケース①を紹介いたします。
譲渡企業:A株式会社
対象施設概要:グループホーム
M&Aを進めるに至った理由は、
慢性的な人材不足の課題を抱えていたこと。
オーナーは、ご自身で経営を続けていくことに限界を感じていました。
中小企業は漏れなく、何らかのリスクを抱えています。ご自身が買い手となる場合は、リスクの内容、何かあった場合の影響額を明らかにして織り込み済みで検討することが重要です。
その後成約し、半年の引継ぎ後、複数棟のグループホームを運営するA社が、より規模の大きなB社に譲渡されました。
2.小規模な福祉事業者がMAを活用するメリットと方法
セミナーでは、再編が進む介護・福祉業界において、皆さんが取るべき「M&A戦略」のお話もありました。
企業の成長戦略を考えた場合、その手法は2つに分かれます。
・親族/社員承継によるオーガニック戦略(既存の経営資源による成長)
・IPOやM&Aによるレバレッジ戦略(外部資源を活用した成長)
再編が進む業界での生き残り戦略
1.ドミナント戦略により地域No.1を目指す
<医療・介護福祉との連携・差別化>
2.資本力のある企業の傘下に入り、勝ち組の仲間入りをする(資本提携を含む)
買い手としてのM&A戦略~想定シナジー・メリット~
・地域ネットワークの拡充・補完(医療・介護福祉)
・早期の人材確保(資格者の早期確保)
・立ち上げコストとリスクを低減(施設・居宅)
・ノウハウの早期取得・習熟(横展開の活用)
売り手としてのM&A戦略(想定シナジー・メリット)
・慢性的な人材不足からの解放
・買い手が複合的に事業展開することにより、リスクが分散される
・安定した企業経営により、利用者へのサービス向上や事故も起きにくくなる
・体力のあるうちに譲渡することで創業者(株主)利潤を実現できる
というようなメリットがあります。
3.バトンズ(BATONZ)のご紹介
パソコンで「BATONZ」を検索し、M&A案件一覧をクリックすると、無料会員登録をしなくても業種や地域や予算を検索し、絞り込んで見ることができます。画面をクリックすると詳細が表示されます。興味のある案件が見つかったら、無料で会員登録してみてはいかがでしょうか。
M&Aセミナーも大変好評で、参加者からは「M&Aを視野に入れて経営していきたいと考えています」などのお言葉もいただきました。また、個別相談を希望される方もいらっしゃり、関心の高さを伺える講座となりました。
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