【レポート】令和7年度就労A型賃上げ対策セミナー「賃上げ分を補える助成金最新情報」2025.07.28
2025年6月19日に、当協会が主催する「令和7年度就労A型賃上げ対策セミナー」を開催しました。
講師は助成金制度推進センター理事長 藤田 剛氏です。
本稿では、セミナー当日の内容の一部をご紹介します。
時給1500円に向けて今年も過去最大規模の賃上げが想定されます
【A型のひと月の利用者賃金例】
神奈川県1日4.5時間勤務の場合
1,162円×4.5h×20日=104,580円
↓50円アップの場合
1,212円×4.5h×20日=109,080円
1人当たり4500円/月アップすることになります。
【A型事業所の利用者賃金増加例】
利用者40名の場合
1人4500円×40人=180,000円増
年間負担増=2,160,000円増となります!
この増加分、事業収入を上げられるのか非常に重たい問題です。
しかし、このキャッシュ増分のお金を補填してくれる救済策があります。
今年度、助成金がさらに拡充されました。
セミナーでは、拡充されるとどうなるかの説明がありました。
助成金を申請することは、A型の運営において重要になってきます。
ちなみにこの救済策は、就労A専用ではなく雇用契約をしている職員がいれば受給可能性ありです。
(1)助成金は、要件を満たして申請すると確実に受給できます。
理由は、助成金の財源が雇用保険の保険料のため。要件を満たして助成金を申請すれば、書類審査後確実に受給できる制度です。
(2)助成金と補助金は、全然仕組みや性質が違います。
助成金は従業員に対して。補助金は、設備やシステム、事業経費に対して支給される制度です。
支給の決定方法が、助成金は要件を満たしていれば確実に受給されるのに対し、補助金は採択制であるという違いがあります。
また使用用途においても助成金は自由なのに対し、補助金は制限ありと異なります。
(3)一般的な助成金申請の流れ
事前準備→制度実施→助成金支給申請という3ステップになります。
セミナー当日は、令和7年度の注目の助成金の紹介もありました。
お勧めの助成金がいくつか紹介されましたので、その一つをご紹介します。
【キャリアアップ助成金 賃金規定等改定コース】
賃金改定のイメージとして、賃金を引き上げた対象人数としてカウントできるのは、雇用保険に加入している非正規従業員のみです。こちらのコースも拡充されました。1年間に最大100名まで申請できます。
賃金規定等改定コースの注意ポイントとしては、6か月間の支払いの間に対象者が辞めてしまった場合は、その人数分は助成金の対象にはならないことです。
また、10月の最低賃金改定日(発効日)より前に、賃金改定日を設定し、申請することがポイントとなります。
賃金規定等改定コースのポイント
1)非正規の雇用保険被保険者が対象
※代表者・役員の3親等親族は対象となりません。
2)賃金規定を3%以上増額改定して非正規を一斉昇給すること
3)従業員に昇給した賃金を6か月間支払いした後、支給申請が可能
4) 最低賃金ギリギリの従業員が多い場合、10月の地域別最低賃金アップの前に賃金規定を改定し、増額できれば申請対象になる
受け取った助成金は何に使ってもいいというのもポイントです。経営に投資できるお金が増えることになります。
それでも、福祉事業者や中小企業では助成金活用が進んでいないのが現状です。藤田氏は、その理由を挙げて説明してくださいました。そこで助成金制度推進センターから、サポートサービスのご案内、またセミナー特典がありました。
今回の令和7年度就労A型賃上げ対策セミナーは、80名近くの参加があり、大変盛況なセミナーとなりました。また反応も高く、助成金を活用しようとお考えになる方がたくさんいらっしゃいました。セミナー特典がありましたので、そちらにお申込みになられる方々が殺到し、関心の高さを伺えるセミナーとなりました。
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