【レポート】【2024年4月から義務化】~福祉施設が備えるべきBCPとは~2022.12.20#セミナー情報
みなさまはBCPという言葉をご存じでしょうか。
BCP(Business Continuity Plan)=事業継続計画とは
災害発生など緊急時においても事業を継続させるために
必要な方針・手続き・手順などを決めておく計画のことです。
福祉施設において、2024年4月までに
このBCPを実施する義務があるのです。
そこで一般社団法人 日本福祉事業者協会では、2022年8月19日、一般社団法人まちかど減災防災塾代表理事 減災アドバイザーの大竹雄一郎さんを講師に迎え、はじめてBCPについて学習するという方に向けたセミナーを開催いたしました。
福祉施設における策定のポイントとは? 注目の内容をレポートします。
あらゆる可能性を考慮した被害想定をしよう
私たちの住む日本は、複数のプレートによって引き起こされる地震や四季の移り変わりがもたらす異常気象など災害が非常に多く、世界でも有名な災害大国です。
近年被害を耳にする機会が増えた台風・豪雨、現在発生が危惧されている首都直下地震・南海トラフ地震、さらに、もはや災害と呼ばれるコロナの蔓延により、私たちは生活スタイルの変化を余儀なくされている状況です。
災害は万人に、つまりは多くの企業・個人に起こりうる身近なものです。
もし、自社の利用者の方や職員が災害により被害にあってしまった際に
事業者が災害防止処置を十分に取らなかった場合
安全配慮義務違反、業務上損害賠償責任発生の可能性があります。
そのため災害時の被害を想定し、あらかじめ予測しておく必要があります。
福祉事業所のBCP対策とは?
まず、一般的な企業はBCP作成に中小企業雛形を利用しますが
福祉事業所の場合は、厚生労働省の様式の雛形を利用します。
(参考:介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修)
そして、自然災害や感染症対策を中心に作成する。
これらが一般企業との大きな違いです。
しかし、「ただBCPを作る」だけでは対策にはなりません。
もし災害によって本社や責任者と連絡が取れなくなったら?
災害が起きていない平時の今のうちに、外部との連携手段を増やすなど
万が一を想定した実践的な行動が必要です。
「どうしたら事業が継続できるか」から考える
BCPは一人で作ろうとせず、事業所の全職員で作ることが大切です。
ほかの事業所のBCPを真似するのではなく現場の声を聞き、事業所独自のBCPを作成する。
そして作成後は職員に対し、災害時を想定した研修・訓練・教育を実施する。
そうすることにより、災害発生時に職員が指示待ちにならず、しっかりと対応に当たれるなど今後に繋がっていきます。
義務化に伴ってみなさまがどのようにしてマニュアルを作成していくのか、それがBCPの根幹なのです。
最後に講師の大竹さんは、本日のまとめとして
「被害を少しでも減らすために、想像力、応用力を持ってあらゆる災害に対応していきましょう。そのために、後悔しないよう準備を進めていきましょう」と話しました。
セミナーを終え、参加者からは……
“今回のセミナーでは、思った以上に広範囲な対策を求められていたということを知り、早目の準備が必要なことを実感しました。
また、机上の対策ではなく、職員一同で作り上げていくことの重要性を認識して実践していけるよう、準備しようと思いました。”
などの感想をいただきました。
BCPについて、よくある質問が
「BCP自体は知っているが何から手を付ければいいかわからない」だそうです。
いつ発生するかわからない災害への対策は必要だと思う一方で、具体的に何から始めたらよいかわからず、手を付けられずにいる方が多くいらっしゃると思います。
ですが、司会の田村さんいわく「このセミナーに参加したことが学習への第一歩」。
まずは紹介のあった参考資料を見て、土台となるイメージをしっかりと固めるところから始めたいです。
当協会ではこれからも会員のみなさまに役立つ情報をお伝えしてまいります。
今後とも一般社団法人 日本福祉事業者協会をどうぞよろしくお願いいたします。
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【当日のセミナー内容】
1.GHオーナー最新状況シェア
2.福祉施設が備えるべきBCPとは
(1)大竹雄一郎さんプロフィール
(2)震災について またその備えについて
(3)BCPとは
(4)『福祉施設のBCP』とは
(5)BCP作成後の動き BCMとは
(6)BCP作成 参考資料の紹介
3.質疑応答
4.事務局からのご案内
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