日本障がい者就労支援学会発足。「社会福祉エコシステム」を目指して2022.02.07#新着情報
国連が掲げるSDGsにおける17のグローバル目標には、「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」「人や国の不平等をなくそう」などの目標があります。これらのグローバル目標は、私ども一般社団法人日本福祉事業者協会も強く意識し、目指しているところです。この度、当協会が発起人の一となり「日本障がい者就労支援学会」が発足されました。「SDGsとソーシャルインクルージョンの実現に向けて」、2022年1月22日に開催された学会第1回シンポジウムについて、ご報告致します。
SDGsと社会福祉エコシステム
※SDGsについては、協会概要内「SDGsへの取り組み」をご参照ください。
SDGsの基盤となる文書『2030アジェンダ』では、さまざまな場面で「誰一人取り残さない」という言葉が登場します。身体障がい、知的障がい、精神障がいなど、「障がい」と一言に言ってもさまざまなハンディキャップがあるわけですが、すべての人を取り残さないためにも社会福祉機能の充実が欠かせません。
2022年1月に発足した「日本障がい者就労支援学会」の設立目的には、
「当学会は、応用行動分析学や社会福祉学、児童精神医学等の研究者、障がい者雇用や教育、児童発達支援などに従事する支援者・専門家、就労支援事業所の経営者・職員などが集まり、自由なディスカッション・活動報告を通じて、SDGsとソーシャル・インクルージョンの実現を目指すものとします。
また将来的には、乳児・幼児期から就労まで、障がい者及びその家族をワンストップで支援する社会福祉エコシステムを目指します。」
とあります。
日本障がい者“就労”支援学会という名称のとおり、障がい者の「就労」に重点を置いた学会ですが、障がい者の方々が社会で働くためには、生まれ持ったハンディキャップであれば逆算して乳幼児期からの支援が必要になります。
ところが、障がい者の方やご家族が情報を得ようとしても有益な情報に辿り着けなかったり、一部の意見を鵜呑みにしがちです。また、福祉事業者同士の交流も活発とは言えないでしょう。
日本障がい者就労支援学会では、自由なディスカッションや情報交換が可能なため、数多くの社会福祉事業者や一般企業が参加することで学会の存在意義はより高まるはずです。
参加者が増え、日本障がい者就労支援学会が児童発達支援や放課後等デイサービス、民間療育サービス等の事業者、公的療育機関、特別支援学校、特別支援級等の職員、福祉カレッジ職員、就労支援事業者、大学教授等の専門家が一堂に会する場になれば、日本の社会福祉の未来を考える実践的な社会福祉プラットフォームになるでしょう。
ただのディスカッションや情報交換ではなく、具体的な解決策や支援策まで打ち出すことができれば、障がい者の方やそのご家族をワンストップで支援する社会福祉エコシステムになり得ます。
第1回 日本障がい者就労支援学会シンポジウムを開催
2022年1月22日には、第1回 日本障がい者支援学会シンポジウムが行われました。
「SDGsとソーシャル・インクルージョンの実現に向けて ~未来につなげる新しい就労支援のカタチ~」とタイトルに掲げられてスタートした学会シンポジウム。
記念すべき第1回のシンポジウム第一部では、「ソーシャルインクルージョン時代到来︕ 現場からはじめる就労支援改革」と題して、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部 教授で産業カウンセラー・心理相談員の坂井裕紀教授による基調講演が行われました。
ソーシャル・インクルージョンやSDGsの説明の他、見過ごされがちな「障害福祉施設で働くスタッフの健康」についても、ストレスと生産性、リラクセーション、マインドフルネス瞑想などの観点から、坂井教授ならではのジョークと話術でわかりやすく解説してくださいました。
さらに第二部では、全国各地で就労継続支援事業所を運営しているオーナーや職員の方々から
・一般就労の成功事例
・支援の課題事例
・自社の独自の取組事例
が発表され、普段はなかなか聞くことのできない現場の声を共有することができました。
いずれも明日からの事業所運営に役立つ情報ばかりで、特に就労支援事業を営んでいる方や福祉事業への参入を検討している方にぜひ聞いていただきたい内容です。
第2回 日本障がい者就労支援学会シンポジウムは3月10日(木)開催予定
学会シンポジウムは、福祉事業に関わる企業や個人以外でも、どなたでも気軽にオンライン参加できるので、興味のある方はぜひ参加してみてください。
第2回は、3月10日(木)を予定しています。
参加希望やお問い合わせは、
⇒お問い合わせ
第2回 日本障がい者就労支援学会シンポジウムは終了いたしました。
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