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虐待防止・いじめ防止で重要な取り組み「報告すること(Report)」2022.06.21#お知らせ

こちらの特設ページ(【令和4年度より義務化】障害者虐待防止の運営基準)にあるように、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定のひとつとして、「障害者虐待防止の更なる推進」が発表されており、令和4年度から運営基準に虐待防止の内容を盛り込むことが義務付けられます。では、福祉事業者としてどのような取り組みをすることが望ましいのでしょうか。別稿『虐待やいじめを防止するためには「認識すること(Recognize)」から』『虐待防止・いじめ防止のために知っておきたい3R「対応すること(Respond)」』に引き続き、『いじめ防止の3R:すべての子どもへのいじめの予防と対処(学苑社)』を参考にしながら、虐待・いじめ防止について解説していきます。

 

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いじめ防止の3R3つ目「報告すること(Report)」

虐待やいじめを防止するためには「認識すること(Recognize)」から』『虐待防止・いじめ防止のために知っておきたい3R「対応すること(Respond)」』では、ロリ・アーンスパーガー氏著、奥田健次氏・冬崎友理氏翻訳の『いじめ防止の3R:すべての子どもへのいじめの予防と対処』を参考に、「認識すること(Recognize)」と「対応すること(Respond)」について解説しました。本稿では、3つ目のRである「報告すること(Report)」について取り上げます。

以下は学校等におけるいじめ防止に関して書かれた内容ですが、大人を「管理責任者」に、いじめを「虐待」に置き換えれば、いずれも参考になるものです。翻訳本のため、馴染みのない言葉もありますがご了承ください。

いじめ事件の調査と障害者ハラスメントの確定に関する手順

  1. 関係する児童生徒すべてを特定し、ケースに番号をふる。障害のある児童生徒を特定する。
  2. 両親に連絡をとる。
  3. タイムリーに(例えば、10登校日中以内に)いじめ事件や障害者ハラスメントと疑われるそれぞれの事件について調査を実施する。いじめに関わりをもった児童生徒、職員のすべてにインタビュー調査を行なう。これには事件を目撃していたすべての傍観者を含む。
  4. 障害者ハラスメントが発生したかどうかを判断する。
  5. 被害者といじめっ子、あるいはいじめっ子のグループの双方に、集中的な対象介入を行なう(例えば、カウンセリングなど)。
  6. 行動を修正させるための善後策とハラスメントを終わらせるためのステップを特定し、報復を防ぎ将来的な事件の発生を監視する。
  7. 報告書式を文書化し、すべての記録とともに保管する。

参考:『いじめ防止の3R:すべての子どもへのいじめの予防と対処』(P.184より)

虐待・いじめ防止の参考にしたい「いじめハラスメント監査チェックリスト」

いじめハラスメント監査チェックリスト

  1. あなたは、いじめや障害者ハラスメント(または他の保護を必要とする属性の児童生徒に対するハラスメント)の定義を述べられますか。また障害のある児童生徒を保護する連邦法について認識できていますか。
  2. あなたの学校には、児童生徒、両親とコミュニティの関係者を含む学校安全チームがありますか。学校委員会は定期的にミーティングを開き、いじめを防止するためのスクールワイドな活動やもっとも効果的な実践ガイドラインの周知などについて調査を行なっていますか。
  3. あなたの学校は、すべての職員、児童生徒、その他の関係者がいじめ事件を報告するための統一的な報告書式(紙/オンライン)を作成し、それについて周知をしていますか。すべての職員がいじめを報告することを義務づけられていますか。
  4. あなたの学校の担当責任者はいじめに関する報告を集め、調査を行なう責任を担っていますか。子どもがいじめ事件に関わりをもった場合、両親はそれについて(学校がある日の1日以内に)知らされていますか。
  5. 学校の年度ごとに、すべての職員に対して、いじめとハラスメントの防止を助け、正しい対応を促進するための職員研修が行われていますか。また、あなたの学校では、いじめ事件に対応する際に、すべての大人がとるべき標準操作プロトコルを導入していますか(例えば「止める―話す―退去させる」など」。
  6. あなたの学校ではいじめ事件が起こったときにどのようにすべきかについて学ぶ傍観者への教育を実施し、安全に介入し、大人に報告する方法を教えていますか。また、あなたの学区では、児童生徒の年齢に応じたいじめ防止と社会性情動学習(ソーシャルエモーショナルラーニング)のスキルについての指導を継続的に行なっていますか。
  7. あなたの学校では、児童生徒に対して、彼らが学校において安全であり、尊敬され、気遣われていると感じているかどうかについて定期的に調査を実施していますか。その調査では、いじめの割合に関わる具体的な質問をしていますか。その結果は学校区のウェブサイトにも掲載されていますか。
  8. あなたの学校には、いじめに対処するための方針や手順、測定可能な成果や介入を含む書面による計画書がありますか(例えば、技術支援ガイドなど)。
  9. あなたの学校区は年度ごとに、報告されたいじめやハラスメントの事件の数や性質について評価や検討、報告を行なっていますか。

参考:『いじめ防止の3R:すべての子どもへのいじめの予防と対処』(P.226~227より)

福祉事業所は、「利用者の権利を守る砦」です。PDCAサイクルを回し続け、虐待防止の取り組みを組織的・計画的に進めることが社会福祉事業者には欠かせません。

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