【追悼】「空飛ぶ車イス」木島英登さんへの感謝を込めて
「空飛ぶ車イス」こと木島英登さんが令和4年7月11日にご逝去されました。
突然の訃報に、言葉もありません。享年49歳、あまりに早過ぎます。
木島さんには2020年9月、私ども日本福祉事業者協会の 協会設立3周年の記念シンポジウム「SDGsと福祉の未来」にご登壇いただきました。
高校時代にラグビーの練習中の事故で車イスユーザーになり、その後、著書「空飛ぶ車イス」のタイトルの通り、175カ国を車イスに乗って旅した木島氏。その豊富なご経験、視野から「バリアフリー研究家」としてもご活躍されました。軽快な語り口でお話しされるご自身の体験談をうかがうことは、日常の中で私たちの目に見えない形で存在する差別についてあらためて気づかさせていただく機会となりました。
コロナ禍の中、Zoom開催となった記念シンポジウム。実はこのとき、木島さんは病院からご登壇されました。直前に足を骨折して入院されていたそうです。「今、どこに居ると思います?」と話されたときの、ちょっといたずらっぽい笑顔が忘れられません。
それがお会いする初めての機会でしたが、あっと言う間に親近感が湧いてしまう朗らかなお人柄、懐の広さ、そして穏やかな口調ながら熱いお気持ちの伝わる木島さんのお話に、すっかり魅了されました。
また新しい旅のお話をたくさんうかがいたかったのですが、それは叶わなくなってしまいました。
木島英登さんの素晴らしい生き方に心からの敬意を表して、シンポジウムでのご講演の全編をここに掲載させていただきます。一人でも多くの皆様にご覧いただき、木島さんのお人柄や経験に触れていただき、その意志を引き継ぎ、我が国のダイバーシティ、インクルージョンの取り組みの前進につなげられればと思います。
あらためて木島さんのご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
本当にありがとうございました。
一般社団法人日本福祉事業者協会 理事 奈良ゆうき
世界175カ国を旅した空飛ぶ車イス・きーじーが語る
「Happyは行動しないと起こらない」
木島英登 きじまひでとう
1973年 大阪生まれ。車いすの旅人。世界150 ヶ国以上を単独訪問。
広告会社を経て、バリアフリー研究所を設立。講演・研修・執筆・コンサルなどを行う。
著書に、「空飛ぶ車イス」 「恋する車イス」 「車いすの旅人が行く!」 「秘境の車イス」がある。
1990年 | 大阪府立池田高校3年生、ラグビー部の練習中に下敷きとなり脊髄を損傷。車いすに |
1993年 | 神戸大学 発達科学部 人間環境科学科 入学 模擬国連、留学生ボランティア、不登校カウンセラー、などの活動を行う。 大学1年生の夏、米国への1ヶ月ホームステイをきっかけに世界への旅が始まる。 |
1997年 | (株)電通 入社 関西支社 マーケティング局 配属 トレンド分析、ターゲット分析、広告戦略、新商品開発、等々の業務に関わる。 |
2000年 | サイト “ Travel for All ” 開設 www.kijikiji.com |
2001年 | 著書1作目「空飛ぶ車イス」IMS出版 発売 |
2002年 | 1年間休職して、米国カリフォルニア大学バークレー 研修生に |
2004年 | (株)電通 退社 フリーランスに 木島英登バリアフリー研究所 設立 www.kijikiji.com/consultant/ |
2009年 | 北極圏グリーンランド(デンマーク領)にて、100ヶ国訪問達成! |
2011年 | 訪日外国人へのバリアフリー旅行情報を提供する NPO法人 Japan Accessible Tourism Center 設立 www.japan-accessible .com |
2022年 | 梅光学院大学(山口県下関市) 文学部 国際教養コース 常勤講師 |
(木島英登 バリアフリー研究所サイトより引用)
◆「Co-Co Life☆女子部」様 追悼ページのご案内
当協会に木島様をご紹介くださったのは、「Co-Co Life☆女子部」様でした。
「Co-Co Life☆女子部」ホームページ内にて追悼ページが公開されています。
「木島英登さん、世界での仕事フォトギャラリー」では、
世界中で活躍されたご様子が
写真で紹介されています。ぜひご覧ください。
